山 行 報 告 | |
2009/9/24〜27 北岳・バットレス (四尾根、中央稜・下部フランケ) |
メンバ:大高ゅ、大高ぁ 記録:大高ぁ |
【コースタイム】
24日:自宅8:00=16号=中央道=11:30芦安駐車場12:00=13:10広河原13:45〜15:30白根御池(テント泊)
25日:白根御池4:35〜C沢出合5:50〜C沢とB沢の間の尾根道〜bガリー取付7:00〜四尾根取付8:05〜四尾根〜10:05枯木テラス10:20〜11:10中央稜取付11:50〜14:20中央稜終了点14:45〜1450北岳頂上15:00〜16:20白根御池(テント泊)
26日:白根御池4:45〜d沢入口6:00〜五尾根6:50〜8:00下部フランケ取付9:20〜下部フランケ終了点・四尾根合流12:20〜14:45四尾根終了点15:05〜北岳頂上15:20〜17:30白根御池(テント泊)
27日:白根御池8:00〜広河原9:20=芦安駐車場10:20=中央道=自宅
【記 録】
24日(木)
9月20日(日)の夜から23日(水)まで大高ぁは恋ノ岐に出かけて、釣りと焚き火を楽しんできたため疲れがやや溜まっており、また、大高ゅの風邪による体調不良も合わせて出発は遅くなった。
16号は混んでいたものの中央道は快調で、12:00発のバスに間に合うことができた。以前、広河原に出かけた時はまだ自家用車の通過が可能の時代で、芦安の以前のバス停の上部にりっぱな駐車場群ができており、そこからバスに乗り換えて広河原に行くのは初めてであった。
シルバーウイーク連休後のためか、バスにはカメラマン2名とわれわれの4名だけであった。環境美化の協力金100円と合わせてバス代は1,100円であった。猿や猪の話をしながらの初老の運転手とガイドの話は、古き良き時代を感じさせるほのぼのとしたミニバス旅行であった。
快晴の中の白根御池への急登は心地良い秋の山であった。白根御池の小屋は旅館と見まごうばかりの立派な建物で、かつて雪崩にやられてプレハブ造りであった小屋とは雲泥の差である。水はいくらでももらえて、トイレは清潔に保たれており身だしなみ用の鏡や自動点灯式の灯かりなども拵えてあり、快適そのものであった。
サッポロ生ビールも800円で提供できるとのことで、テント場受付の後ろにビールサーバーとグラスのジョッキが鎮座ましましていたが、明日に備えてウイスキーのお湯割りで我慢することにした。祐はコーヒーにウイスキー割りで体を温めていた。
テントは6張り。岩屋は1張りだけで若い2人組み。夕方バットレスから戻ってきた。明日のバットレスは貸し切り状態が予想された。夜は満天の星に酒が進みそうであったが、明日に備えて早々にシュラフに入った。以外に暖かくシュラフカバーだけで充分であった。
25日(金)
3:30に起きると、対岸でフクロウが「ぼろ着て奉公」と鳴いている。天気は快晴で満天の星だ。暖かい。若者2人は4:00には出発。気合が違う。
テント場からトラバースして大樺沢に出ると発電機でバイオトイレを動かしている。騒がしいと思っていた犯人はこれであった。夜が明けてきた。
C沢とB沢の間の、ガイドがよく使うというアプローチは、赤テープと明瞭な道ですぐわかった。それを辿ってゆくと若者2人がbガリー大滝に取付いている。我々もbガリー大滝からトラバースで四尾根取付きを目指す。
トラバースはトレースがいくつかあったため、上がり過ぎてしまったので戻って並行の道を行き、cガリーを左上して取付きテラスに着く。いつもdガリーから四尾根にとりついていたので、bガリーからのアプローチは初めてであった。
先行の若者はcガリーを並行にトラバースして2ピッチ下部からとりついていたので、ラッキーなことに先行して四尾根を行くことができた。枯れ木テラスまで順調にピッチを伸ばし、中央稜懸垂点へ。目の前にドーンと中央稜が鎮座し、ガレガレのC沢の存在を無視している。
しかし中央稜は登られている割には枯れ木テラスからの懸垂点が整備されていない。シュリンゲも支点のピンも古い。あまりにも危険なので古いシュリンゲを抜き新しいシュリンゲを足す。また下降点付近の岩が脆い。落石を起こさないで下降することが大変難しい。なんとも厄介な懸垂だ。
また懸垂すると着地点もガレガレである。。落石の危険をはらんで尚且つロープは引っ掛かり抜けにくいなど神経を最大限使った。それにもう1ピッチガレガレを懸垂しなければならず、またもやロープも引っ掛かり、固い岩の中央稜登攀とは対称的であった。
中央稜の取付きはいくつもハーケンが打ってあり判然としないが、真ん中を祐がリードして登る。正解であった。トラバースはピンがなく三つ峠の八寸バンド的であった。10年来の希望であった中央稜。2・3ピッチは哲がリードをさせてもらった。
岩は固くピンも多い。2ピッチ目のガリーの後、3ピッチ目は50mのロープをめい一杯ロープをのばす。流れが悪く支点まであと5m足りない。祐に少し登ってもらい、支点まで行く。ただ支点手前のところもピンが3つあり、ここでビレイしても問題ない。
4・5ピッチはV級程度だが、5ピッチ目はガレガレで小石を落とさずに登るのが困難なほどだ。5ピッチ終了点からトポ通り5分ほどでひょっこり北岳頂上に出た。北岳では拍手で迎えられることはなく、静かに下山。
肩の小屋はカメラマンが外でビール片手に談笑中。携帯が通じるところなので二人で携帯の電源を入れる。たいしたメールはない。
白根御池に到着すると、ビールよりホットウイスキーの気温。砂肝ジャーキーをつまみにホットウイスキーで晩酌。祐は疲れてパス。もうひとパーティークライマーが増えた。20:00には、明日の上部フランケとDガリー奥壁のため就寝。明日も天気はよさそうだ。
26日(土)
疲れているせいか、目覚めは3:40。寝坊した。あわただしく朝食と支度。祐はリゾットが合わず「ゲー」する。4:45発だが、若者2人はもっと遅れる。新顔のクライマーには大樺沢で抜かれる。
ただし2人はbとc沢の間を登り、クロスせず。我々はD沢を登り、五尾根へ。ふとdガリーを見ると2人パーティーがすでにdガリーを登攀中。どこから現れたのか?
五尾根から下部フランケへ。テラスからdガリーを1ピッチ。バンドに出るが、下部フランケの取り付きがわからない。いくつもピンがあり、どこも登り口がある。結局下部フランケの3ピッチ目の核心に来ていることに気が付き、祐がリード。
ピン連打の左側から左上して、10年前から落ちそうで落ちない1m四方の岩のところでピッチを切る。2ピッチ目は、クサビハングから凹角を左上。ハングの二ヶ所のピンがぐらぐらでカムを二ヶ所かませる。カムを持って行って正解だった。
3ピッチ目のV字凹角からハングは祐が超える。4ピッチ目の凹角は哲が超えて切る。フェースへは祐が行くが、右上を行きピラミッドフェースに入る。そこで切り、哲が四尾根に抜けて終了。左へ行けば上部フランケへ行けたが時間的に難しく四尾根に抜けて正解だった。
前日は急いでいたので今日はゆっくり四尾根を楽しみながら登る。昨日に比べてガスがかかり頂上もガス。20代のカップルから70代のお年寄りもいて、北岳は盛況である。祐は風邪が悪化したので、ゆっくり下山。
今日こそはサッポロ生ビールを飲むぞと下山するが、やはりホットウイスキーで下山祝となった。疲れて20:00に就寝。夜は雨だった。
27日(日)
バスはたくさんあるのでゆっくり起床。8:00に下山開始し、9:20には広河原へ。ちょうど乗合タクシーが出るところで、芦安には10:20には到着。バスより100円高いだけなので、乗合タクシーは便利。もっとも他のお客は1時間近く待ったらしいが…。
さっそく下の広い温泉で貸し切りの中、汗をながす。昼どきなので高速は混雑すいていて相模原のハンバーグ屋さんで昼食をいただき帰宅。
上部フランケやdガリー奥壁は四尾根から懸垂で取り付けるので、また平日に行きたいと思う。